sportful(スポーツフル)は、イタリアの北東部、ベッルーノ県のフォンツァーゾに社屋を置きます。そこはドロミテに近い山間の小さな町。ドロミテ山麓の羊飼いだったクレモネーゼ一家が、ウールで衣類を作る会社を興したのが1946年で、会社の名をマニファトゥッラ・バルチズモン社といいます。その後、1972年。同社が陸上競技やクロスカントリー用のウェアとして立ち上げたのがsportfulブランドです。
バルチズモン社の現在は、自転車用ウェアをメインに、スキーウェアやスポーツ系アンダーウェアを製造するメーカーですが、会社のルーツやロケーションを考えると、バルチズモン社が生み出す製品の誕生は必然と言えるかもしれません。むろん、ドロミテ山系は標高が高く、数多くの峠を擁し、年間を通しての気温差が大きく、急激な天候の変化が日常で、自転車ウェアを生み出す最高の環境が整っていました。トラックフィールドのウェアでスタートしたsportfulは、徐々に自転車ウェアのブランドとして頭角を現します。
1994年から2001年までプロロードチームのマペイに、翌2002年からはイタリアナショナルチームにウェアを供給した事実の裏には、社屋の周辺が製品のテストにとって抜群の環境であったこと、そして自転車に情熱を持ったスタッフに恵まれたことがありました。ブランドとしてこのような基礎が存在したことは、後にsportfulの名声を高めることになります。多くのスター選手を抱えた常勝チームのTINKOFFはsportfulとタッグを組み、選手やチームの意見を完全に吸い上げて作り出したウェアで、数多の勝利をサポートしてきました。そして、プロが袖を通すものと寸分たがわぬウェアを、一般サイクリストに提供を続けていることも、sportfulが支持される理由です。つまり、ペーター・サガンが実戦で身に付けるウェアと全く同じ仕様のウェアを、あなたは手にすることができるのです。
歴史に裏打ちされた、デザインと機能性が魅力のsportful。プロチームウェアの供給と変わらぬプライオリティをエンドユーザーのために注ぎ続け、このブランドは世界中のサイクリストから愛されるまでに成長しました。そしてブランドの源流はドロミテ山麓にあり、ドロミテはイタリアにあるからこそ、sportfulは誕生したのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2021.2.19