自転車の用品部品を取り扱う弊社は、カーボンや金属フレーム、コンポーネント、ヘルメットにシューズなど、「硬い」商材のラインアップが多いイメージがあるかもしれません。でもウェアのSportfulも弊社基幹ブランドであるので、実際のところ硬軟多くのブランドや商材を取り扱っています。比率としては「硬」が圧倒的に多いですが、2020年夏、「軟」否、「柔」の新しい商材が仲間入りしました。それはソックス。当面、ソックス1アイテムで勝負します。その名は“ZEROFIT SOCKS”。

2014年、Sportfulのラインナップに『ACソックス』という当時のスーパースター、アルベルト・コンタドールの名前を冠したソックスが存在しました。これは彼のリスエストで製作されたものでした。そのリクエストはズバリ「快適性」。当時はまだ硬いだけだったカーボンソールのシューズによる負担を和らげるため、足裏の厚みを増してクッションを強くした、特別なソックスでした。

トッププロはダイレクトな踏み心地を重視するものと思いこんでいた我々は、その存在をやや不思議に感じていたのですが、この話を聞きつけてさっそく購入したのは弊社きってのブルベライダーで、その界隈の有名人でもある社員Kでした。時には1,000km以上のロングライドをこなす彼は、このクッションに優れたソックスがロングライドに最適だと考えたのです。ACソックスを使い始めたKは、その快適性に惚れ込み、足元にコンタドールが舞い降りたかのようにブルベのマストアイテムとして重宝していました。

時は流れて2018年。縁あって主にゴルフ用アパレルで人気の“ZEROFIT”ブランドとのビジネス機会を得た弊社は、ZEROFITのノウハウと、弊社の自転車における蓄積されたデータや経験をもとに、サイクルソックスを製作することになったのです。開発のコンセプトは4年前のACソックスの経験から「ロングライド」に定めました。ソックスという商材は自転車用としても多く出回っていましたが、そのほとんどは「速く走ること」を目的としたもの。ならば、あまり例のないジャンルに切り込もうと考えたのです。しかし「ロングライド」と限定すると、引いてしまうサイクリストもいるかもしれません。ロングライドは弊社のKのような1,000km以上を好むサイクリストもいますが、それだけじゃないと思うのです。例えば50kmでも100kmでも、そのひとにとっての最長距離が「ロングライド」という考え方もあるではないかと。そこで、『ひとそれぞれのロングライドを快適に走りきるためのソックスを作りたい』と考え、これをコンセプトとしました。

コンセプトが決まれば試作の開始です。ZEROFITのノウハウに、年間12,000Kmを走る弊社Kの意見を取り込むことで試作と改良が繰り返されました。彼は日本有数のロングライダーですが、日常的には約20Kmの自転車通勤を毎日続けています。つまり彼にとっての短距離（20Km）から長距離（1,200Km）まで、どのような距離でも快適性に振ったソックスという観点で、試作品の評価をすることができたのです。あれこれ修正を加え、気が付けば最初のサンプルから約2年、ようやく製品化にこぎつけることができました。

ZEROFITとの異業種コラボレーションで完成したZEROFIT SOCKSは、全体的にやや厚めの生地を使用。更に必要な個所にはクッションとサポートを強化することで、疲労の軽減を実現します。また、社員Kが自らの経験から外すことができなかった抗菌・防臭効果は、抗菌試験で100回洗濯しても効果が落ちないことが実証されているポリジン加工を採用。この加工は汗で足が湿っても清潔さを保ち、ソックスの摩擦や締め付けによる傷が起きにくくなります。余談ですが、1,200㎞も走れば足には想像もできない負担がかかります。匂いは雑菌の繁殖が影響するので、抗菌や防臭は大切なんですね。ということは、100Kmくらいでは無敵ということです。そして製造は職人たちの手作業による高い品質のメイドイン兵庫。知る人ぞ知る、明治時代からの「くつ下」の産地なのですよ、兵庫県は。このようにして、時間をかけた分、ZEROFIT SOCKSは自信を持ってお届けできる商品となりました。

ZEROFIT SOCKSは現在発売中です。
全国の自転車販売店でお求めいただけます。
素材は綿/アクリル/ポリエステル/ポリウレタン/ナイロン。
サイズは2サイズでSが22-24cm、Mが25-27cm。
カラーはカラーコーディネートがしやすいブラック。
価格は2,200円（税込価格）です。